fantaholic Components Vol.1


1. 破滅フェスティバル
2. Danse, Magie, Feu
3. Swedish Girl
4. Be Quiet
5. サテライト


22世紀から21世紀を振り返ったとき、私たちが彼ら/彼女たちに遺したものはなんでしょう?シニカルなニューウェーブ「破滅フェスティバル」、「Danse, Magie, Feu」のコンピューターで再構築されたJazz、「Swedish Girl」で平行移動するTB-303、ピアノ弾き語り「Be Quiet」。私たちには一見バラバラで、それぞれ別の時間軸を持ったように見える作品は、彼ら/彼女たちの心には一貫した時代背景や心象風景を浮かび上がらせることでしょう。先行シングルの日本語版「サテライト」で描かれるように、衛星の上に立ち地上のことに想いを馳せるのが日常となった未来で、こんな音楽とともにノスタルジックなひとときが訪れますように。



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1. 破滅フェスティバル



Photo: K.yamashita

作詞:佐藤多歌子/渡部高士
作曲:佐藤多歌子/渡部高士



せかいはプラスチック
私は難解パズル
地元は国際化する
ささいなノスタルジー

Je vous aime, la tristesse
Je vous connais, la misère

そんな顔して愛を語るな
そんな瞳で嘘を語るな

社会はコスメティック
すさんだコスモロジー
我々はペダンチック
かかさずトートロジー

Mon amour, la tristesse
Mon ami, le désespoir
Mon copain, le nihilisme
C'est la même chose, toujours



どうやって作ったか思い出そうとしてみます



佐藤多歌子(以下、佐藤):この曲ってどういう作り方しましたっけ?
まずはTB-303のリフを私が考えたんだと思うんですよね。
で、TB-303のリフありきで、TR-606のパターンを破滅フェス2013用(※佐藤がTB-303弾き語りライブを1人編成で行った)に私が作ったんでしたね。
渡部高士(以下、渡部):どっかのカフェで打ち込んでなかったっけ。
佐藤:ああそんな気もしますね。ドトールとかエクセルシオール?スタバだったっけ?
あ、スタバだ。なんかインスタに写真上げたような。
まずはそれで、ライブをやったってことですよねぇ。
で、ライブの後に曲にしようということになって、録った。終わり。
ギター足して。
渡部:CMU-810(Roland) 入れてね。
佐藤:ああ、タッタッタラッタタッタッタラッタ。
CMU-810を解説していただけますか。
渡部:CMU-810ってのは中身がMC-202とほぼ同じ、という機械。
Compu Synth。コンピュシンセ。
佐藤:ああこれね、これウルトラかっこいいっすよね!!
あと何がはいってましたっけ。
渡部:そんだけだよ。
佐藤:そんだけ?
渡部:他何もないよ。
佐藤:すごい音数多い印象があるんですけど。
渡部:すごい少ない印象があるんですけど(笑)。
佐藤:そんだけしか入ってないんでしたっけ。
渡部:音数少ないから音がいいんだよ。
Compu Synthは、83年、84年ぐらいのPC-8800シリーズってのがあって、その頃にCMU-800っていうPC-8800につなぐ機械があって、 やっぱりそれもRolandが出してたんだけど、それでYMOオタクの人たちが、自分で打ち込みして遊んでたの。
でも、それにはCV/Gateインターフェースがついてて、シンセが鳴らせるわけですよ。もう一台、もう二台ぐらい鳴らせるんだよ 。
で、そのCMU-800っていうそのインターフェースの横に置くシンセとして、Rolandが出した機械なの、CMU-810ってのは。
で、中身がMC-202とかSH-101とかとおんなじなのに、誰にも見向きもされなかったの。
全っ然マイナーな機械で。
佐藤:型番が違うから。
渡部:そう。それを、俺はマイク・ヴァン・ダイクに教わって、これはSHとおんなじなんだって。
それから一生懸命探して、買って。いくらだっけな。5年ぐらいまえだったと思う。
佐藤:わりと最近なんですね。
渡部:そうそう、けっこう最近。ていうか、3年ぐらい前かも。ひょっとしたらそれ作る直前かもしんないし。
そんで今はしょっちゅう使ってんだけど、形がちっちゃいからSHとか鳴らすより楽でいいから。
で、まだあんままだ人にバレてない機械だから、まだすごい安いんですよ。
佐藤:いくらぐらいですか?
渡部:2万しないんじゃないかな。もっと安いかもしんない。
佐藤:安ぅ!今もっと値上がりしてます?
渡部:いや、そんなもん。まだそんなにバレてないから。
佐藤:そうなんだ。
渡部:だんだんバレてくるけど。
佐藤:こんなこと書いたら人気出ちゃいますよね。
渡部:いいじゃん別に。俺もう持ってるし。持ってない機械のこと言わなきゃいいだけだよ。
佐藤:すげえ。これはいい話を聞いた。
渡部:そう。それを知ったのはもっともっと何年も前なわけ。なんだけど、それ数が少ないの、玉数が。
ヤフオクにねぇ、年に2、3個ぐらい出んの。
佐藤:そんな少ないんだ!
渡部:まあ3個か4個とか…そんなもんだと思うんだよ。数ヶ月に一回出んだよ。だけど、それ雑誌で言っちゃったらあっという間に値段上がるから、ずぅーーーーっっと秘密にしてたの。ははは。
佐藤:で今もう買ったから、言っちゃっていいんですね。俺持ってるし。
渡部:俺持ってるし。状態いいからもう二台いらないし。
佐藤:うっへっへ…
渡部:すんげぇーいいよ。810。
佐藤:あれ音危険でしたよね。
渡部:うん。うちに来た人には、使うと教えてあげるんだけどね。
佐藤:買おっかなぁ。あれ。
渡部:いやでも今モノのアナログシンセ買うならもっとましなのいっぱいあるけど。なんか新しいやつ買えばいんじゃない。
佐藤:でも見た目いいですよね。
渡部:うん見た目いい。コンピュシンセ。



この曲で使われているシンセサイザー



via this auction

Roland CMU-810 Compu Synth
結論 特に見た目がいい



Video(リリース前のβ版「破滅フェスティバル」)





2. Danse, Magie, Feu



Photo: Paragram (K. Totsuji)

作詞:佐藤多歌子
作曲:佐藤多歌子/渡部高士



Bienvenue ici!
Nous, on est dans un fragment d'Eden
restant sur terre, isolé
Après moi, n'hésite pas

Adieu, la paresse
Salut, la maladresse
Adieu, la mollesse
Salut, l’ivresse

Aime frémir, Tue l’ennui
Aie l’envie d’aimer, quel entêté
Aime sentir, pleure et désire
Soyons-nous même exigeants

Aime offrir, pas obéir
Voilà la clé, prends ta volée
Pas de logique - Danse, magie, feu
Vivons-nous dans la fantaisie

Adieu, la faiblesse
J’ai la hardiesse
Adieu, les diablesses
Salut, les déesses

夕暮れどよめく
さあさ、おまつり
泣き言にさらば
見えた、明日が

あ、あ、空
あ、あ、向いた
あ、あ、穂先
あ、あ、齧る

Aime frémir, Tue l’ennui
Aie l’envie d’aimer, quel entêté
Aime sentir, pleure et désire
Soyons-nous même exigeants

Aime offrir, pas obéir
Voilà la clé, prends ta volée
Pas de logique - Danse, magie, feu
Vivons-nous dans la fantaisie



どうやって作ったか思い出そうとしてみます



佐藤:じゃあ次の曲に行きまして。ジャズですね。"Danse, Magie, Feu"はどうやって作ったか。
メロディは先にあったんですけど。(私の中に)
渡部:メロディがあって、ドラム適当に入れて。ドラムはループなんだよね。ループしてんだよあれ、4小節で。気づかないんだけど。よく聞くと4小節で完全にループしてんだよ。
佐藤:うん。キモはベースですよね。ウッドベースを打ち込んで、激しくナチュラルっぽく。
渡部:最初に入れたのはコードだよ。多歌子がピアノのコード入れたの。
佐藤:ああそっか。
渡部:でそれを定規に、ベース入れてったの。
佐藤:ドラムがあってピアノがあって、そこにベース入れてったってことですよね。
渡部:そう、そう。でラッパ入れて、フルート入れて終わりかな。
佐藤:なんのシンセで入れたんでしたっけ。
渡部:シンセはHALionかな。ソフトシンセ。なんで、音源は普通のもんだよ。みんな。
佐藤:ベースとかもHALionなんですか?
渡部:ベース、、HALionじゃないかな。HALionかKONTAKTかどっちか。わかんないけどまあ生音の。
佐藤:とにかく生音のサンプルを使って、極限まで打ち込みましたって感じですね。
渡部:そんな時間かかんなかったよ、でも。
佐藤:まあ高士さんが天才だから速かったけど、ちょっと生っぽい動きを足してったじゃないですか。
渡部:ゴーストノートとかね。音鳴らさないノートだよ。なんか、ピッキングノイズとか。
佐藤:あとちょっとはねてますよね。
渡部:そうそう。跳ね方と、音符の置き方がキモなんだよ。
偶数拍が全部後ろになって、16分だけじゃなくて、普通16分だけが後ろに行くんだけど、どっちかっていうと打ってると4分がつっこむ感じなんだけど。4分も突っ込むし、あと多分2分も後ろにずらさなきゃいけないんだよね、偶数2分も。そうすっと偶数の2分が後ろに行くってことは、きっと偶数小節の頭きっと後ろにずらさなきゃいけないんだよ。って延々にそういうフラクタル構造になってるんだけど、ああいうグルーブって。でもそんなことは別に考えてるわけじゃなくて、なんかできるようになった。
あれ3回目ぐらいなの、俺の、トライの。ああいうランニングベースを作る。
3度目の挑戦かなんかなの。
佐藤:で初めてできたって言ってましたよね。
渡部:そうそうそうそう、初めて満足のいく形になったの。
3度目か4度目かまあわかんないけど、そんなに何度もやってないんだよ。
佐藤:じゃあそんなもんですかね。この曲は。
渡部:あと途中でね、ムーグかCMU-800かなんか鳴るよね。あのまま行ったら面白くないから、途中からそれ(ベース)と808(ドラム)におんなじシーケンスを挿げ替えて、全く同じシーケンスで。
佐藤:そこが超キモだった(笑)。
渡部:それであれだ、αJUNO-2のパッドが入るんだ。ファー、ファーってやつ。あれは808 StateのPacific Stateと同じ音なんですけど。
佐藤:ああそうですね。
渡部:αJUNO-2もねー、超安いんだよね。2,000円だったの。
佐藤:やっすい!
渡部:あ、2,000円じゃねえ。それただだ。俺友達にもらったんだそういえば。1個目は2,000円じゃないや、ただだ。あ、でも2,000円払ったかな、あいつに?飯おごったぐらいだったんだよね。多分そんなもん。
佐藤:考えられないですね。
渡部:でも今でも安いよ。
佐藤:最後は戻ってくんですよねこれ。
渡部:だんだん戻ってく。両方出んだよ、途中で。
挿げ替えたベースは消えてるかもしんないけど、808はそのまま出てるの、多分ね。
そう、で、そうだ思い出した、808のドラムが、生のドラムと同じタイミングで鳴ってんだけど、生のドラムはループだから、生のドラムのループのタイミングを拾ってMIDIに変えたんだね。
けっこう複雑なことしたんだよ。まあ、すぐできるよ。
佐藤:すぐできるのは高士さんだからね。
渡部:うん。あとあれもじゃない。あの曲はラッパの音も生っぽく聞こえるんだけど。あれは一生懸命打ったよ、ラッパ生っぽく。強弱と、あとやっぱあの、ゴーストノートだね。
ラッパってさぁ、ちゃんと鳴り始める寸前にさぁ、絶対さぁ、リードがさぁ、カチンていう音入ってんじゃん。本物のラッパって。なんかリードが鳴り始める時の音が入るんだけど、それを、すっげえ短いノートを入れといて、本物のノートの手前に。なんかねぇ、そんなことやって作んの。
あれ本物っぽいっしょ。ラッパが一番本物っぽいんだよ、これ。



この曲で使われているシンセサイザー



Roland Juno 2

Roland Juno 2 by Derek Gavey, on Flickr

Roland αJUNO-2
あの泣ける音が出る



Video



Movie: Paragram (K. Totsuji)

なぞなぞ!


一見普通にみえるこのビデオ。どのようなトリック/撮影手法を用いて撮影されているでしょうか!?

@tkk_fantaholic 実は映像は逆再生(違うか

— 根本明憲🤘Akinori Nemoto (@sqNEMO) 2017年1月19日

鏡面のように? https://t.co/jK0KU4cdQr

— Happy_Monk_7 (@Happy_Monk_7) 2017年1月19日

@tkk_fantaholic ワンカット1日、つまり数日かけて撮ったものを繋いでいる、的な、ですか。

— Naöshi Sügimoto (@Naoshi_Design) 2017年1月19日

fantaholic - Danse, Magie, Feu (Short Version) from "Components Vol.1"
一体この映像にどんなトリックがあると言うのか!?ということで延々とリピート https://t.co/89jW3cmQ0D

— ムラマサ。 (@muramasablade24) 2017年1月19日

@tkk_fantaholic ビデオじゃなくカメラの連射で撮ったのかなぁとは思えど違うんだろうなぁ。

— 根本明憲🤘Akinori Nemoto (@sqNEMO) 2017年1月23日

@tkk_fantaholic 前回に続き答えさせてください!右回りと左回りで歩いておられる!

— Naöshi Sügimoto (@Naoshi_Design) 2017年1月23日

なんだろうわからないな…タイムラプス風に見えるカットが実はタイムラプスじゃなくてスローでした、とかかなあ… https://t.co/ZPGRlXz46L

— Haruka Kataoka (@hrk) 2017年1月22日

@tkk_fantaholic オケなしで鼻歌みたく歌って、あとから曲にあわせて映像を伸縮させた、とかでしょうか。。。

— きようへい (@kyohei240k) 2017年1月31日



答えは…




@tkk_fantaholic 撮影する際、違うBPMからはじめて、カットごとにBPMがだんだん正規のBPMに近づいて行くというのはどうか。

— 根本明憲🤘Akinori Nemoto (@sqNEMO) 2017年2月7日

おお! https://t.co/Hd6fOT0n7h

— 佐藤多歌子(fantaholic) (@tkk_fantaholic) 2017年2月19日

@tkk_fantaholic か、もしくは、カットごとに正規BPMの映像、違うBPMで撮った映像、正規BPMの映像、以下繰り返しになってるとか。

— 根本明憲🤘Akinori Nemoto (@sqNEMO) 2017年2月7日

あ!あたり!です!!!! https://t.co/5knKL3RCJE

— 佐藤多歌子(fantaholic) (@tkk_fantaholic) 2017年2月19日


“歩くシークエンスは

・普通の速度
・少しスローなもの
・もう少しスローなもの

を全部で4つ使って切り替えてます。
スローなものは速度を早めて撮ったものをもとの速度に戻しているので
歩きはスローだけどのうごきは曲と合っている、というものです。
地球儀のものは同じやり方で少しスローになったやつを
コマ落とし(フレーム数を少なくしてカクカクした感じにする)にしています。”
(Paragram (K. Totsuji))



“BPMを変更した曲を再生し、それに合わせて早口で歌ったり、ゆっくり歌ったりのカットを撮影し、
編集時、音に合うように編集してもらいまいた。
早く歌うのはけっこう大変でした(笑)。
遅いのも眠くなりましたね〜”
(佐藤多歌子)



3. Swedish Girl



Photo: K.yamashita

作詞:佐藤多歌子/渡部高士
作曲:佐藤多歌子/渡部高士



Swedish girl says to me
Me, You, can never never ever get her

Ladyboy, talk to me
Paranoids can never never ever get her

Ah huh.

We are all sad.



どうやって作ったか思い出そうとしてみます



佐藤:次は、Swedish Girl。これはけっこう面白いと思うんですけど。まぁ、端的に言って、TB-303が並走してるって感じですよね。平行で。

渡部:いっこ動かしてたら2台は鳴るんだよ。303って二回とるもんなんだよ。低音の303と、動かす303と分ける。動いてくと低音なくなっちゃうから、ベースに使う時は2回とるの。 動いてなかったら1本かもしんないけど、動いてたら2本。コツ的な。
佐藤:そうなんだ!これ言っていいのかなインタビューで。
渡部:いーよそんなん別に。
佐藤:けどハモってるのがちょっと珍しいっていう。ハモってるっていうか、ベースをそのまんま上にずらしたのが動いてるという。
渡部:ハモってたっけでも?
佐藤:ハモってるんですでも、これが。動いてるほうが途中2分の1のスピードになったりもしてますね。パターンはどうしたんでしたっけ。どっちが作ったんでしたっけねぇ。
渡部:パターンは多歌子がつくったやつだよ。
佐藤:あ、そうなんだ。覚えてなかったです。ありがとうございます。で私がなんか適当に声乗せたんですね。途中エフェクトかけたりして。歌詞はどう作ったのか、忘れたなぁ。 これでじゃあSwedishはこんなもんだよね。
渡部:うん。



この曲で使われているシンセサイザー



Roland TB-303 Panel

Roland TB-303
ごんぶと



Video



Photos and video editing: K.yamashita

4. Be Quiet



作詞:佐藤多歌子/渡部高士
作曲:渡部高士



Be quiet, you’re not so far away.
I don’t bite you, please come here.
You see, I will not fly away.
You feel featherlike, my deer.

Don’t get up,
the world’s gonna melt down.
I love you. You’re eating my heart.

Please don’t make a slight noise,
the egrets are gonna fly.
Please don’t kiss with a sound,
This bliss is gonna die.
Let me see, if allowed,
your holy liquid eyes.
All right, that’s just about it.
Can’t you eat me alive?

Words lost their magic.
You and I’ve avoided a tear.
I know your perfume, baby,
please don’t treat me like a fear.



どうやって作ったか思い出そうとしてみます



佐藤:○△☆ホールの練習室に録りに行きました、っていう。
渡部:そうそうそうそうそう。マイクスタンド借りられるんだよね、ちゃんとね。マイクもけっこう揃ってたよ。マイクは持ってったけど。451 2本と、小林マイクも持ってったけど。
佐藤:小林くんていう、(渡部高士の)亡くなった友人の
渡部:最後の作品のマイク。
佐藤:で録って、ほんとにあれは、(ピアノ)録音して、歌録って、終わりって感じですよね。
渡部:まあでもピアノは相当加工してあるけどね。スピードもだけど、音もけっこう直したんだよ。なんだかんだ言って上手く録れなかったんだよ、やっぱり。笑
佐藤:どういうとこがだめだったんですかね。
渡部:調律が悪いんじゃないかな~、多分。なんかそのチューニングずれてるとかじゃなくて、よく響かない感じだったの。
多分状態がいいピアノだったら普通にああやって録ればよく鳴ると思うんだけど、あのピアノそこまで状態がよくなかったんだと思う。とにかく響き悪かったじゃん、あれ。
その場で聴いてても同じ弦がなんか3本ぐらいずっとキンキン鳴ってて、それを削るのが大変だったんだよね。そうだ、そういうのずっと一生懸命削ったりしたんだ。
佐藤:ああ、そうか。
渡部:あれだったら生で録んないで、普通にHALionでやったほうが多分いい音だと思う(笑)。
まぁ、雰囲気はいいけど。普通ピアノの曲録音するとか言ったらその日に行って調律するんだもん。自分で調律師連れてってやればいい。うん。
佐藤:佐藤:雰囲気はよかったですけどね。安いし、すごい。



この曲の録音で使用したマイク



小林くんのマイク
マイクのせいじゃない。生で録ればいいってもんではない



Video



Video: K.yamashita

5. サテライト



Photo: K.yamashita

作詞:佐藤多歌子/渡部高士
作曲:佐藤多歌子



恋になぞ 落ちぬ
楽しいかも、それでも、
盲目になど ならぬ
つらくないから、信じて
恋になぞ落ちぬ
真似なぞしない、たぶんね
頭上に立つ ことなど
きっとないから、ああ

仰ぐサテライツ
月の下で
子守唄 歌う
それでもロマンス
現世 来世
秘めた人生
燃える 瞳を

恋になぞ落ちぬ

恋に謎かけぬ
おかしくないから、おねがい
盲目になどならぬ
つらくないから、夢は壊せ
恋になぞ落ちぬ
新しいあなた、になるでしょ
盲目になどならぬ
いつもデジャヴみるでしょ

踏みしめサテライト
月の下で



どうやって作ったか思い出そうとしてみます



佐藤:Satellite。このミニアルバムには日本語版を入れてますが、シングルの英語版はもともとコンペ用で作ったんですよね、ぶっちゃけ。コンペ用でブルーアイドソウルって書いてあったから。だから、じゃあブルーアイドソウルこんなかなぁみたいな(笑)。
渡部:そうそうそう。
佐藤:うん、で、高士さんがいかにもそれっぽすぎるドラムをどっから拾ってきたんでしたっけ…。
渡部:違う、全部打ったんだよ。パーンって音も。ど頭に鳴るドッカッコッみたいなフィルみたいなやつは、あれはもともとどっかでサンプリングしたんだけど、そのドラムに合わせたんだよ。全部自前の音だから。なんかリズムボックスの音を加工して作ってて。当時と同じ加工のし方をしてるんだよ。ゲートリバーブかけたりとか。
佐藤:ターンターンターンターターターっていうあのピアノのシンセはなんでしたっけ。ちゃーんちゃーんちゃーんって弾いてるやつ。
渡部:KONTAKTかなー。てか3個ぐらい混ざってた。一生懸命混ぜてた。KONTAKTとHALionとあとM1もいたような気がする。同じリフで全部混ざってる。重なってるんだよね。あんまりやんないんだけど、実際そうなってる。
佐藤:あとなんかありましたっけ、サテライト。
渡部:真ん中のリズムブレイクのところだね。ターンターンタタタターン、ターンタータンタタタターン、みたいな感じのとこ。あの、スラップベースみたいの入ってるとこ。スラップベース生まれて初めて使ったよ(笑)(サンプリングで)。
佐藤:なるほど。あと、間奏のターンターンタタターン、ターンターンタタタターンってところ。
渡部:あれは声のサンプルだね。多歌子の声のサンプリングじゃない、あれ、きっと。
あとね面白いのはね、えーとね、えーと、サックスの音が入ってたの。でもね、なぜかね、リリース版には入ってないの(笑)。(※1:30頃)日本語版には入れといたから。ははっは。
佐藤:だから英語リリース版には入ってないんだ。
渡部:入ってないんだよ。入ってないのに誰も気づかないでそのままリリースされてしまったの。
佐藤:全然気づかなかったですねぇ。
渡部:気づかなかった(笑)。バグ、バグ。青くなったけど、知った時。うわーもったいなーって思ったけど。日本語版に入ってるからちょうどよかった(笑)。
佐藤:それないの気づかなかったのやばいですね。
渡部:うん、やばい。二人とも全然気づかなかった。
佐藤:全然気づかなかった。
渡部:よくあることだよ(笑)。ふっふっ。なんか足んねーなって思わないってことだから、なくても成立してるんだね。とはいえメロディが面白いから、後から思うともったいねーなって思うってことで。



(ごめんなさい!!意図的にアレンジ変えたとかじゃなかった!!)